2024/03/08
看護師が考えた!介助に役立つ寒い日にシャワー浴だけでも体を温める方法
看護師の仕事の一つに、体を清潔に保つお手伝いがあります。お風呂に入ることができる方は体を洗って浴槽へつかるお手伝いをします。しかし体調が悪い方や、寝たきりの方、立って浴槽をまたぐには危険が高い方、お風呂に入る事で体調を崩してしまう方など、さまざまな事情の方がおられます。ベッド上で体を拭くなどの清拭を行うこともあれば、足だけをお湯につけて洗う「足浴」を行うこともあります。
今回は、そんな看護師の仕事の中から考えたお風呂にお湯をためて入らなくても、「かんたんに」「時短で」「節約にもなる」体が温まる「シャワー浴×足浴」の方法をご紹介します。
目次
シャワー浴で体を温める目的
「温活」という言葉があるように、ひとは体を温かく保つと様々な体の不調が解消されると言われています。体が温まると、血管が広がり血行が良くなり、筋肉や内臓への酸素や栄養素がさらに多く行き渡ります。さらに、老廃物の排泄も促進され、免疫力が上がり、疲労回復や病気の予防にもつながります。また、代謝が上がるため、ダイエットにも効果的です。
効果①免疫力の向上
ひとは体温が1度下がるごとに免疫力が30%低下すると言われています。体を温かく保つことで体内の血液循環が促進され、免疫細胞が効果的に体全体に運ばれるため感染症に対する防御力が向上し、けがや病気にかかりにくくなります。
効果②便秘の解消
体が温まると、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、便秘の解消に効果的です。
効果③肩こりなどの改善、筋肉を和らげる
体温を上げて血行が良くなると、体のこりや緊張をほぐす効果があります。
効果④ダイエットに役立つ
体温が上がると基礎代謝量が上がり、エネルギー消費量も増えるため、やせやすい体に導くことが可能です。
効果⑤自律神経を整える
血行を調整しているのが自律神経です。体が冷えていると自律神経のバランスを乱すため、体を温かく保つことで自律神経の乱れも整いやすくなります。
効果⑥ストレス解消
体が温まると自律神経の中でも副交感神経が優位に働くと言われています。意識的に体を温めることで心の緊張もほぐし、リラックス効果が期待できます。
看護師が行う「足浴」とは?
温めながら足を洗浄するケアのことです。病気などでお風呂に入れない場合に清潔を保つ目的で行なったり、足を温めることで痛みやしびれを和らげたり、血行の促進、睡眠の促進のために取り入れられる場合があります。福あーるでもよく取り入れているケアのひとつです。
体を温めることを考えると、お風呂に入る方法が一番ですが、入ることができない中で、少しでも体を温める方法のひとつが「足浴」です。
シャワー浴×足浴に必要な物や手順
それでは、どのような方法で行うのかご説明します。転倒の不安があるため、初めて行う場合は、家族に見守りしてもらうなど、環境を整えてから気を付けて行いましょう。
●必要なもの
両足が入るサイズのタライもしくはバケツ(100円ショップに売っているようなプラスチックのかごでもOK)
●手順
1.普段、シャワー浴をする姿勢のまま、足元にタライ(バケツ)をおいて、その中に両足を入れて頭や体を洗います。温度はご自分の気持ちのいい程度で良いですが、40~42℃くらいの熱めが体を温めるのにはおすすめです。
※タライ(バケツ)に両足を入れると、滑りやすい場合がありますので、安全の確認をしっかりお願いします。転倒の危険がある方は、必ず座って行いましょう。
2.頭や体をシャワーしながら流れ出たお湯が足元のタライ(バケツ)にたまることで足を温めていきます。
3.流れ出たお湯で足を温めたあと、最後に足元を洗います。10分程度のシャワーでもしっかり体が温まっていることがわかります。
4.最後に首の後ろを温めると、さらに体が温まります。
まとめ
体を温めるにはお風呂に入ることが効果的ですが、様々な事情でお風呂に入れない時などに、体を温める方法のひとつとして行なっているのが足をお湯につける「足浴」です。
ご利用者様にはよく行うケアですが、自分自身が「今日は入りたくないな」「お湯をためるのもったいないな」「でも体は冷えて温まりたいな」と思った時、この足浴をヒントに自分にも試してみようと考えた方法でした。自分自身が今では毎日、冬はこの方法で入浴しており、シャワー浴だけでも十分温まることができています。
お仕事で忙しい方などにもおすすめです。ぜひ一度お試しください。詳しくお尋ねになりたい方は、ホームページからのお問い合わせもお受けしております。